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示談交渉による交通事故解決

示談書の作成

はじめに

示談は特に専門家の関与や特別な手続がなくても、当事者の話し合いがまとまれば成立します。しかし、示談の内容(示談条件)について、後日紛争の蒸し返しが起こらないようにするため、内容を専門家に確認してもらうようにすることが一般的です。

また、執行認諾文言付の公正証書にしたり、起訴前の和解にするなど債務名義を取得しておくことも検討すべきです。

示談書作成の段取り

示談書の形式では、通常は示談という法律上の和解契約(民法695条)の成立を証明することが必要となるので、当事者双方が記名捺印し、当事者全員の分の通数を作成します。物損事故で被害者には全く落ち度がなく、加害者からの賠償金支払だけを合意すれば足りる場合などは、"免責証書"として、加害者の損害賠償義務について合意した額を超えて請求しないという被害者の免責の意思表示のみを文書化する形式をとることもあります。

被害者側にのみ弁護士が選任されている場合には、加害者側の示談代行者である保険会社に免責証書を作成させて、その記載事項を確認して記名・捺印するか、被害者の代理人である弁護士の方で示談書を作成することになるのが一般的だと思われます。

示談書の記載事項の概要

ア 当事者
通常は、事故の当事者である加害者・被害者、住所・氏名で特定します。加害者以外にも損害賠償義務を負う者がある場合や、被害者が死亡してその相続人である遺族が複数人である場合などは、その全員の住所・氏名を記載します。相続人には相続関係が判るように被害者との身分関係を明示しておくことがあります。このように表記しておかなければ、示談の効力が及ばない者が生じてしまうので、注意が必要です。
イ 事故の特定
事故が発生した日時、場所、事故車両(登録番号・車種形式・所有者)、運転者、事故の状況を記載して特定します。自動車安全運転センターが発行する交通事故証明書の記載から確認するのが通常です。
ウ 被害内容
死亡事故か、傷害事故か、物損のみかという損害の内容を記載します。傷害であればその程度、後遺障害の内容を記載します。
エ 示談内容
賠償金額の総額、賠償金額の内訳(必要に応じて項目や過失割合)、支払期日や違約金等の支払条件等を記載します。
自賠責保険を被害者が示談成立前に受け取っている場合に賠償金額はその金額を含まないとするならば、「既払い分のほか○万円」としてその旨を明示しないと、後からその金額の扱いについて紛争が生じます。任意保険については通常は示談成立後に支払われるので、示談の内容にはその金額を含むかどうかも明確にしておく必要があります。
オ 放棄条項・清算条項
示談内容以外の請求権を被害者が放棄する旨の条項(放棄条項)や、示談内容以外の債権債務がない旨の条項(清算条項)を記載することがあります。示談成立後に示談内容に不足があったなどの紛争が生じないように約束する趣旨でこれらの条項が記載されます。
カ 示談成立年月日
 
キ その他の条項
状況によって、加害者が謝意を示す趣旨の条項を加えたり、示談時に予期しない後遺障害が発生した場合には別途協議する旨の条項等を記載することがあります。また、物損と人損(人的損害)で別の示談にするなど全損害のうちの一部についてのみ示談する場合などはその旨を明記することがあります。
ク 当事者の署名・捺印
最後に当事者全員が署名・捺印します。当事者が未成年者である場合には、法定代理人であるその両親が署名・捺印することになります。

示談書作成上の注意点

ア 賠償金の支払確保
(ア) 執行認諾文言付きの公正証書の形式による示談書
示談書を作成しただけでは、示談が成立したことを証明することができるだけであって、法律上その支払を加害者に強制するには訴訟を提起して勝訴した後にようやく裁判所に強制執行を申し立てることができます。そこで訴訟を経ずに強制執行をするために、公正証書という形式で示談書を作成することができます。
公正証書は、公証人役場において当事者全員が立会って、公証人と示談内容を確認した上で作成してもらえます。どうしても当事者本人が立ち会うことができなければ委任状を作成して代理人に立ち会ってもらうことができます。作成費用や実印・印鑑証明書の持参などの負担はありますが、公証人によって「強制執行認諾文言」という記載内容を付加してもらうことで、示談金支払請求訴訟の勝訴判決がなくてもすぐに強制執行の申立ができます(民事執行法22条5号)。
(イ) 起訴前の和解の形式による示談書
示談とは法律上私人間での和解契約(民法695条)ですが、裁判所の関与の下で成立させることによって、公正証書と同様に示談金支払請求訴訟を提起せずに強制執行することができます。そのための制度が起訴前の和解(民事訴訟法275条)です。
これは簡易裁判所への申立を当事者全員で行い、簡易裁判所で示談内容を確認の上で、示談の内容を和解調書に記載してもらうという手続です。和解調書が示談書の代わりとなりますが、この和解調書は裁判所の確定判決と同一の効力があるとされており(民事訴訟法267条)、公正証書と同様に訴訟をせずに強制執行ができます(民事執行法22条7号)。
(ウ) 連帯保証人など
加害者側の支払能力に不安がある場合には、損害賠償義務を負う者以外の連帯保証人をたててもらい、その人にも請求できるようにしておくことも検討すべきです。
連帯保証人や物上保証人(所有する不動産などを示談金支払の担保としてくれる人)について示談内容とする場合には、収入印紙が必要になります。
(エ) 示談金の支払と同時にする示談
物損事故などで損害賠償額が高額でない場合には、もっとも簡易な支払確保手段として、示談書に署名・捺印するその場ですぐに現金等で示談金を受け取るという方式(即金払い)がとられます。
(オ) 過怠約款
示談金の支払条件を分割払いとした場合には、その支払を1回でも怠ったときは何らかの通知または催告を要せずに当然に期限の利益を喪失し、残額を直ちに支払う旨も記載しておきます。また、支払期日から支払いが遅れた場合には違約金を支払う旨を記載するなどのペナルティについて示談内容としおくことで、支払を促すことができます。
イ 予期しない後遺障害発生時の協議条項
放棄条項や清算条項のある示談が成立した場合、追加請求はすることができないのが原則です。しかし、被害者に示談時に予想し得ない後遺障害が発生したときなどは、そのような事態は示談の対象とされたものとはいえず、なお請求することができると解されています(最判昭43.3.15判時511・200参照)。成立した示談がそうした趣旨であることを明示するために、「示談時に予期しない後遺障害が発生した場合には当該後遺障害に関する損害については別途協議する」といった条項を記載しておくこともあります。もっとも、その条項がないからといって、追加請求をなしえないわけではありません。
ウ 放棄条項・清算条項
当事者が複数の場合には、誰に対する権利を放棄するのか、誰と誰の間に清算条項が必要かを明示する必要があります。運転者の使用者が全賠償金を支払う場合で、運転していた被用者が示談の当事者になっていない場合などには、示談の当事者ではない運転者(被用者)に対する放棄条項を入れる場合もあり得ます。
被害者が加害者から当面の治療費の支払を受けるために、症状固定前に暫定的な示談を成立させる場合もあります。そうした場合には、示談の内容は損害の一部でしかないので、被害者が放棄・清算をすることは後からの請求ができなくなるおそれがあります。このような示談では示談成立時に確定している損害だけが示談の対象であることを明示しておいて、放棄・清算もその損害の範囲に限定する旨を記載する必要があります。

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